訪問看護ステーションの開業を考えている方へ
「訪問看護ステーションを開業したいけど、何から始めていいかわからない…」
「法人設立や資金調達、届出のやり方が不安」
そんなあなたに向けて、実際に2024年に訪問看護ステーションを開業したリアルな体験談をもとに、流れとポイントをまとめました。
この記事でわかること
- 訪問看護ステーション開業までの全体スケジュール
- 開業に必要な準備・書類・人材・物件など
- 法人設立の流れと選び方(合同会社 or 株式会社)
- 日本政策金融公庫を使った資金調達の実際
- 開業後の集客や営業活動のヒント
訪問看護ステーション開業|準備スタートは1年前から
私たちは2024年4月1日に開業しました。準備を始めたのは1年前の2023年3月。この1年間の実際の動きを、以下のように月別でご紹介します。
【STEP1】開業準備のスタート|電子カルテ選定と情報収集(2023年3〜4月)
訪問看護ステーションに必須の電子カルテの選定から始めました。多数の業者を比較した結果、「カイポケ」を導入。
選定の決め手:
- 訪問看護に特化した機能に加え、労務管理のシステム(ソフト)も使える
- 電子カルテ+レセプト請求が一括で可能
- 開業支援の無料相談つき
- 税理士・行政書士の紹介もあり
【STEP2】法人設立と開業に向けた書類整理(2023年5〜8月)
訪問看護ステーションは個人では開設不可。必ず法人が必要です。私たちは以下の理由から合同会社を選びました。
合同会社にした理由:
- 設立費用が安い(株式会社の半分程度)
- 共同出資者間のトラブルを避けやすい
書類・準備内容チェックリスト
- 管轄の都道府県担当者や自治体との相談(開設届や指定申請)
- 事業所名・法人名の決定
- 物件探し(訪問看護ステーションの事務所物件)
- 必要加算の確認と体制整備
- スタッフ確保(常勤換算2.5名以上)
- 備品、通信設備、HP準備
【STEP3】資金計画と日本政策金融公庫への融資申請(2023年9〜11月)
訪問看護ステーションの開業には、初期費用100〜300万円+運転資金が3〜6か月分必要と言われています。
実際に準備した内容
- 利用者数・単位から月別売上予測を作成
- 看護師給与・リース料・通信費などを明記
- 自己資金と借入希望額を設定(多少の余裕を持った設定)
- 事業計画書と資金繰り表を作成し政策金融公庫へ提出
- 返済は可能な限り、遅くしてもらう(例:4月に提供した訪問看護の収益は6月入金。軌道に乗る事が遅れると固定費+借入金返済となる)
結果:無事に満額融資を獲得できました(2024年1月入金)
【STEP4】物件探しと届出作成(2023年12月)
訪問看護の事務所は、スタッフが働きやすい広さと清潔感、駐車場付きがポイント。条件に合う物件をようやく見つけて契約。写真と図面を県に提出し、事前確認OKを取得。
【STEP5】開業直前の仕上げ|物品購入と各種申請(2024年1〜3月)
この時期にまとめて行ったこと:
- 事務所備品・訪問用品をAmazonと地元店舗で購入
- 電話・ネット回線、複合機を設置
- 各種届出:介護保険、生活保護、難病・自立支援申請など
- 独自ドメイン取得とホームページ自作
- 名刺・パンフレットを作成して地域へ営業訪問
開業後の状況と収支の安定性
開業して1年が経ちましたが、当初の資金計画どおりで追加融資は不要でした。看護師スタッフも定着し、紹介ルートも確保。地域に根差した訪問看護ステーションとして順調に運営できています。
まとめ|訪問看護ステーション開業に必要なのは「準備と情報力」
訪問看護ステーションの開業は、大変なようでいて、きちんと順を追えば誰でも可能です。
- 必要なのは「情報収集」「資金計画」「信頼できる仲間」
- 自力でできること(HP、届出、備品選定)は外注せずコスト削減
- 専門家(税理士、社労士、行政書士)は必要に応じて活用
おまけ|開業に使える資料公開について
資金繰り表や事業計画書テンプレートについて、希望者がいれば別記事で公開予定です。興味ある方はぜひコメントまたはお問い合わせフォームからご連絡ください!
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